2015/11/18
バロンドール、本命はメッシかロナルドか、それとも第三の男?
メッシか、C・ロナルドか、それとも第三の男か――。各国の代表監督とキャプテン、およびサッカー記者は候補者リストを眺めながら、頭を悩ませているはずだ。
『バロンドール』のことである。
 あれは1956年だから、59年前のことになる。フランスのサッカー専門誌『フランス・フットボール』が、ヨーロッパ各国の記者に投票を依頼し、誌上にて「ヨーロッパの年間最優秀選手賞」を発表した。バロンドールの始まり、である。
 のちに同誌は、黄金に輝くサッカーボールを模したトロフィーを受賞者に贈るようになる。バロンドールとは、フランス語で「黄金の球」という意味だ。
 この「黄金の球」の受賞者は長年に渡り、ヨーロッパのクラブに在籍するヨーロッパ人に限られてきた。歴代の受賞者リストにペレ(ブラジル)やディエゴ・マラドーナ(アルゼンチン)の名前がないのは、そのためである。ヨーロッパで活躍する「外国人」に門戸を広げたのは、1995年からだ。
 もっとも、記念すべき同年の受賞者は南米選手ではない。『リベリアの怪人』と呼ばれたアフリカの雄ジョージ・ウェアだった。さらに2007年には「ヨーロッパ限定」の枠組みを解き、対象者を全世界に広げ、世界各国の記者に投票を依頼している。
 そして2010年から、国際サッカー連盟選定の「FIFA世界優秀選手賞」と統合され、現行の『FIFAバロンドール』に生まれ変わった。選出方法も従来のサッカー記者のみならず、各国の代表監督とキャプテンも投票に加わるようになった。
 今年度の候補者23人はすでに先月20日、FIFAが発表している。そして、11月30日に最終候補者の3人に絞られ、来年1月11日に受賞者が発表される段取りだ。
 ちなみにFIFAバロンドールの歴代受賞者は、リオネル・メッシ(バルセロナ=スペイン)とクリスティアーノ・ロナルド(レアル・マドリード=スペイン)の2人に独占されている。C・ロナウドが受賞すれば「3年連続」となるが、今年の本命はメッシと目されている。バルサの三冠達成(チャンピオンズリーグ、国内のリーグとカップ)の原動力となったからだ。
 最終候補の「第3の男」も、同じバルサのネイマールとルイス・スアレスが有力視されている。あるいはC・ロナルドが最終候補から漏れて、メッシ、ネイマール、スアレスの「そろい踏み」もあるか――。投票者の多くがそんなことを考えると、C・ロナルドの票が伸びるかもしれないが……。

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